YUNOHANA湯の花とは

明礬温泉の泉質は硫化水素泉でPH3以下の強酸性を示し、昔から皮膚病・神経痛・糖尿病等に効くことで知られています。
湯の花はそんな明礬温泉の有効成分をすべて含有しており、
その製法は江戸時代より現在に至るまで変わらず、国指定重要無形民族文化財になっております。

TRADITION AND CULTURE独自製法と湯の花文化

明礬湯の花とは

明礬の湯の花(ゆのはな)は、大分県別府市の明礬(みょうばん)地区でのみ作られている、天然の入浴剤です。
お風呂に入れると温泉のような湯になり、体を温め、皮膚への効能も高いため「医薬部外品」として登録され、
「薬用・湯の花」として販売されています。「明礬温泉」を代表するお土産として長く人々に愛されてきました。

Yunohana hut scenery湯の花小屋と景観

古くから硫黄や明礬を採取してきた鉱山としての長い歴史を持つ、明礬温泉。
ここは、湯けむりが立ちのぼる独特の風景で知られています。2012年(平成24年)9月19日、鉄輪地区とこの明礬地区は、「別府の湯けむり・温泉地景観」として、国の重要文化的景観に選ばれました。
豊富な温泉、大地から立ち上る噴気を暮らしや仕事に生かしてきた人々の姿が、風景として今も息づいています。

湯の花INHERITANCE守り受け継がれる伝統

明礬湯の花は、湯の花小屋と呼ばれる特別な小屋の中で、噴気と青粘土を利用してつくられます。もともと、この小屋はミョウバンの製造に使われていました。しかしミョウバンの製造途中で生まれる、美しい花のような結晶に入浴剤としての価値が見いだされたのです。この伝統的な「湯の花の製造技術」は、2006年(平成18年)3月15日、に国の重要無形民俗文化財に指定されました。この製法によって採取される湯の花は、世界でもここ明礬唯一のものです。

製法

世界で唯一の製造技術

明礬湯の花は、「湯の花小屋」と呼ばれる小さなわら葺の小屋のなかで、江戸時代から続く伝統的製法を用いて作られます。まず溝や管を地中に設置し、その上に小石、白土を敷き、さらにその上に青粘土を敷きます。地熱によって自然と立ち上る熱い温泉噴気が溝や管をつたって集められ、その蒸気に含まれる成分が青粘土(あおねんど)と反応し、地面で結晶化、霜柱のように成長します。その結晶が明礬の湯の花です。

原理

温泉成分の結晶

湯の花小屋の地中に設けられた石造溝、そこから上昇する噴気(火山性蒸気)が小石層と青色粘土層を通過する過程で冷却され、凝縮水が生じます。同時に、蒸気中に含まれる硫化水素や亜硫酸ガスは硫酸へと転化します。この硫酸は、青色粘土内部の微細な細隙を毛管現象によって上昇し、粘土中に存在する鉄およびアルミニウムと化合し、硫酸塩鉱物を形成します。こうして生成された硫酸塩が地表近くで結晶として析出したものが、明礬湯の花です。このように湯の花の生成原理は、火山性ガス、粘土鉱物、そして溝構造を含む小屋の設計が相互に作用して初めて成り立つ、非常に繊細な工程といえます。

成分・効能

明礬湯の花の主成分は、鉄とアルミニウムが結びついた複数の硫酸塩です。水に溶けやすく、溶かすと強い酸性を示す性質を持っています。そのためお風呂に入れるとすぐに溶け、湯色は朱く変わります。効能は幅広く、古くから多くの人々を癒やしてきました。

効能 … 神経痛、リウマチ、関節炎、肩こり、腰痛、うちみ、くじき、冷え性、痔疾、水虫、あせも、しっしん、しもやけ、いんきん、 たむし、かいせん、ただれ

湯の花の現在とこれから

江戸時代、硫黄やミョウバンの採掘・製造の中心だった明礬地区。現在は日本有数の温泉地「明礬温泉」として国内外から数多くの訪問客を迎える観光地となっています。
一方で、最盛期に何百棟もあった湯の花小屋は、戦争や時代の変遷とともに急激に減少。建て替えの必要がある湯の花小屋での製造はコストがかかるうえ、生産者が減少、原料・資材も年々入手が困難になっているからです。
現在、稼働している湯の花小屋は地域全体で10棟に至らず、大変貴重なものとなっています。多くの生産者が湯の花製造から撤退するなか、岡本屋では、先代から引き継いだ伝統技術を次世代に継承し、世界で唯一の湯の花小屋が立ち並ぶ風情ある明礬の景観を守り続けたいと考えています。