
4月17日、岡本屋にて第2回となる室礼教室を開催いたしました。講師は前回に続き、「室礼三千」師範・宮田由美子先生。今回のテーマは「端午の節句」です。

室礼(しつらい)とは、季節の節目や年中行事にあわせて、心を込めて暮らしの空間を整える日本の文化です。当日は、初夏の訪れを感じるやわらかな雰囲気の中、端午の節句を迎えるための室礼について学びました。

端午の節句は、5月5日に男児の健やかな成長を願う行事として知られていますが、もともとは厄除けや無病息災を祈る節目の日。日本では田植えの時期にあたり早乙女たちが田の神様を迎えて豊穣を祈るため、女性の節句として祝われていたともいわれています。中国から伝わった風習と日本古来の信仰が重なり、現在のかたちへと受け継がれてきました。

講座では、今では貴重な職人による手漉きの和紙を用いて、五色の兜飾りを制作。五色は、古来より魔除けの意味を持つ「青(緑)・赤・黄・白・紫」を指し、自然界の調和や健やかな成長への願いが込められています。手を動かしながら、その意味を知ることで、一つひとつの室礼に奥行きが生まれていきます。


また、ちまきや柏餅もご用意。柏餅に使われる柏の葉は、新芽が出るまで親の葉が落ちないことから「親が子を守る」、また「家系が絶えない」縁起物とされ、子孫繁栄の願いが込められています。ちまきもまた、邪気を祓う食べ物として古くから親しまれてきました。

さらに、菖蒲(しょうぶ)と蓬(よもぎ)を用いた薬玉(くすだま)を皆さまで仕上げました。菖蒲はその強い香りで邪気を祓うとされ、蓬もまた薬効のある植物として、古来より魔除けに用いられてきたもの。自然の力を取り入れた室礼は、空間に清らかな凛とした空気と安らぎをもたらします。


講座の終わりには、岡本屋の地獄蒸し®プリンと地元の美味しい和菓子をご用意し、ゆったりとしたお茶の時間を。和やかな会話が自然と広がり、学びの余韻を楽しむ、穏やかで上質なひとときとなりました。


日本の年中行事に込められた意味を、室礼というかたちで丁寧に感じる時間。サロン・ド・オカモトヤは、日常の中にささやかな豊かさをもたらす文化的な集いとして、これからも季節ごとに皆さまをお迎えしてまいります。
次回のサロン・ド・オカモトヤ 室礼教室は、「お盆」をテーマに7月24日(金)の開催を予定しております。詳細は近日中に、公式Instagram にてご案内いたします。