サロン・ド・オカモトヤ「室礼講座・七夕」を開催しました
6月18日、岡本屋にて室礼(しつらい)講座を開催いたしました。講師は「室礼三千」師範・宮田由美子さん。テーマは「七夕(たなばた)」です。
室礼とは、季節の節目や年中行事に合わせて、暮らしの空間に意味のある飾りやしつらえを施す日本の伝統的な文化です。
当日は、爽やかなウェルカムドリンクでお客様をお迎えし、夏の始まりにふさわしい涼やかな雰囲気の中、五節供の一つである七夕にまつわるお話をうかがいました。
七夕は、「星祭り」とも呼ばれ、毎年7月7日に行われる日本の伝統的な年中行事のひとつです。中国から伝わった「乞巧奠(きこうでん)」という行事が、日本古来の 棚機(たなばた)信仰と結びつき、「たなばた」と読むようになったとされています。
講座では、五色の短冊や梶の葉、鹿の毛の筆と硯、糸巻などが用意され、それらに込められた意味や願いとともに、簡単に自宅でできる飾り方などを宮田先生に教えていただきました。自然とともに過ごしてきた日本の知恵や想いに触れ、とてもゆったりとした気持ちになる不思議なひとときでした。

七夕に芋の葉についた朝露で筆をおろすと書が上達するという言い伝え。また、鹿の毛の筆は縁起が良く、願いや祈りを込める道具として用いられてきました。

涼しげな五色のそうめんを和紙で包み、飾ります。お客様にお出しするお飲み物も竹籠に笹をあしらうだけで清涼感のある演出に

和紙を使って七夕飾りのひとつ、網飾りを作ります。定番の菱飾りや輪飾りの他にも飾りは多々あり、地域によっても形や意味が違うそうです。子供時代に還るような穏やかな気持ちで鋏を入れます。

七夕の室礼の数々。真似したくなる演出ばかり。

七夕は農作物の豊作を祈願し、収穫に感謝する日でもありました。色鮮やかな夏野菜を飾ると華やかに。

星写しの器は、器に水を張り、梶の葉を浮かべます。ここに二星(彦星と織姫星)を映すと願いが叶うのだそうです。

会の終わりには、岡本屋名物「元祖地獄蒸し®プリン」と台湾青茶で小さな茶会を楽しんでいただきました。
日本の美しい年中行事を、室礼という形で体感できる贅沢な時間。また次のサロン・ド・オカモトヤでも、皆様と心豊かなひとときを分かち合えたら嬉しく思います。
講師プロフィール
宮田 由美子(みやた・ゆみこ)
福岡市出身。東京都にて、「室礼三千」主宰・山本三千子氏に師事。日本に古くから伝わる年中行事を、現代の暮らしの中でも実践できるよう、わかりやすく提案している。東京・福岡を中心に各地のカルチャー教室にて室礼講座の講師を務める。
SALON de Okamotoya サロン・ド・オカモトヤ
岡本屋が季節ごとにお届けする、宿泊を伴わない特別な文化イベントシリーズです。美やグルメ、伝統、暮らし、アートなどさまざまなテーマで、学びや交流を楽しむひとときをご提供しています。どなたでもご参加いただけます。次回開催予定は、当公式ホームページおよび岡本屋女将のInstagramでご案内いたします。